日本自動車部品工業会 会長 茅本隆司より、2025年9月8日に自工会・部工会両会会長名で発信いたしました 「自動車産業の競争力強化に向けた適正取引の更なる推進のお願い」に関連してビデオメッセージを発信いたします。
(参考)2025/9/8 自工会・部工会両会メッセージ
▼ 部工会HP 自動車産業の競争力強化に向けた適正取引の更なる推進のお願い~自工会・部工会 両会会長メッセージの発信~▼ 自工会HP 適正取引について
なお、自工会片山会長も9月18日の記者会見において、両会会長メッセージについて発言されております。
-茅本会長 メッセージ内容-
日本自動車部品工業会 会長の茅本です。平素は部品工業会の活動にご理解、ご支援をいただきまして、ありがとうございます。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
はじめに、頭を悩ませている日米の通商問題について、自動車ならびに自動車部品に対する関税率が、9月16日に15%に引き下げられました。
ここに至るまでの政府、関係省庁の皆様のご尽力に、改めて敬意を表しますとともに、心より感謝申し上げます。
関税率の引き下げにより、サプライチェーン全体を含めた日本の自動車産業への打撃は緩和されました。
しかしながら、この関税がもたらす自動車産業へのインパクトは依然大きく、サプライチェーン全体に影響が及んでおります。
日本の自動車産業のサプライチェーンは、多くの中小企業に支えられています。
私はかねてより、国内の自動車生産数量の維持・確保が、何よりも大切であると申し上げてきました。
国内の自動車生産数量が維持されないと、海外に活路を見出すことが難しい中小企業は立ち行かなくなります。
中小企業の持つ技術は、日本のモノづくりの基盤です。
その力を守り、育てていくためにも、日本国内での自動車生産数量の維持・確保が大切です。
今後も引き続き政府・関係省庁には、税制の見直しや国内需要の喚起、新たな輸出市場の開拓などに向けた政策の立案、実施をお願いしてまいる所存です。
さて、9月18日に日本自動車工業会の片山会長が、定例の記者会見を行いました。
その中で、自動車工業会と部品工業会の、適正取引の推進に向けた連携と取り組みについてお話しされました。
私からも部品工業会の立場で、足元の状況を踏まえて、お話をさせていただきます。
自動車ならびに部品業界では、業界のサプライチェーン全体での材料費、エネルギー費、労務費等の価格転嫁の推進や、型取引の過去の商慣習の見直しなど、取引の適正化に取り組んでいます。
ある調査では、価格転嫁ができた割合と賃上げ率に明確な相関関係が表れており、価格転嫁の割合の高い企業ほど賃上げ率が高くなっていました。
当然と言えば当然の結果ですが、これは適正取引の推進が、賃上げを含む、経済の好循環につながることの証左の一つであると考えます。
この取り組みの一層の推進のため、部品工業会と自動車工業会は、昨年7月から両会の正副会長での会合を定期的に開催しています。
更に今年4月からは、実務レベルでの本音ベースの深い議論を隔週で実施しており、重層的かつ実践的な関係を築き上げてまいりました。
自動車ならびに部品業界を取り巻く社会・経済情勢は、更に厳しい局面を迎えることも懸念される状況です。
自動車産業の将来にわたる発展、そして競争力の維持・強化に必要な足場を固めるためには、厳しい状況であればこそ、適正取引推進に向けた取り組みを、継続していくことが重要と認識しています。
今月上旬には、自動車工業会の片山会長と私の連名で、自動車産業の競争力強化に向けた、適正取引の更なる推進をお願いするメッセージを発信いたしました。
400社以上におよぶ部品工業会および自動車工業会の全ての会員企業にお届けしており、両会のホームページでご覧いただくことができます。
日本の基幹産業である自動車産業のサプライチェーン全体における、適正取引の推進に向けた取り組みは、日本の経済全体の好循環につながる活動です。
そのために、部品工業会と自動車工業会は、引き続き連携して、賃上げを含む経済の好循環をさらにリードしていくため、責務を果たしてまいります。
部品工業会としては、両会会長連名のメッセージにおいて、労務費等の価格転嫁とともにお願いさせていただいた、型管理の適正化にも特に強い危機感をもっております。
今年も自動車部品関連企業が、型の無償保管などで公正取引委員会の勧告を受ける事案が相次いでおり、残念なことに部品工業会の会員企業、関連会社も複数含まれています。
部品工業会の会員企業におかれましては、型管理の適正化に向けた一層の取り組みをよろしくお願いいたします。
これまでの長い年月に構築された商慣習の見直しを進めるには、非常に多くの時間と、サプライチェーンを維持・強化しようという強い決意が必要です。
そして何よりも、商慣習に慣れ親しんだ私たち自身の意識改革が必要です。
部品工業会は、自動車工業会と共に強い意志を持って取り組んでまいる所存です。
今後とも、部品工業会と自動車工業会の、適正取引推進に向けた取り組みへのご理解とご支援、ご協力をお願いいたします。
ありがとうございました。